協同組合 京都府中小企業診断士会
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T.経営戦略の基本
  (1).SWOT分析・製品ライフサイクル分析(PLC)


 SWOT分析は、自社をとりまく外部環境と内部環境の分析を行い、自社の力と市場の魅力度を把握する手法である。経営戦略の方向性を探索したり、どこに経営資源を集中するかなどを検討するために有効である。
 SWOT分析を行うと、自社の位置づけ・方向性を客観的に判断でき、わかりやすい。また、今後の成長性を内外の環境をふまえて検証することができるといった特徴がある。
 進め方としては、情報を収集しそれを評価していくが、その際自社製品(事業)がライフサイクル上どの位置にあるのかを考慮することによってより戦略的な判断ができるようになる。

1.情報の収集(収集すべき情報の種類例)

<外部環境>
  • 自然環境・・・ 暖冬、冷夏、環境規制、世論、自然エネルギー
  • 法律・政治環境・・・ 政権交代、規制緩和、法律施行、政府・関連団体の動向、消費者保護
  • 経済環境・・・ 景気価格変動、貯蓄率、為替・金利
  • 文化・技術環境・・・ 価値観、倫理観、社会規範、世論、ライフスタイル、技術革新、情報機器、通信インフラ、インターネット
  • 社会環境・・・ 人口、地域性、年齢構成、少子高齢化
    ミクロ環境
  • 市場環境・・・ 市場規模、成長性、需給動向、海外市場の動向、顧客ニーズ、市場シェア
  • 競争環境・・・ 経営戦略、生産技術、設備投資動向、マーケティング戦略、参入動向
  • 生産・流通環境・・・ 原材料、生産技術動向、労働力動向、販売チャネルの変化、広告・宣伝・販促手法、物流動向、仕入業者動向

<内部環境>
  • 経営者の資質・・・ リーダーシップ、バランス感覚
  • 経営体質・・・ 組織構造、職務分掌、目標管理制度、業務遂行ルール、チームワーク、人材育成・教育、人事考課、就労環境、福利厚生
  • 財務体質・・・ 資金力、信用力、利益計画立案・統制、会計組織、決算制度、内部統制組織
  • 営業力・・・ 顧客別売上高・売上総利益の推移、営業組織、販売政策、販売チャネル
  • 技術・生産力・・・ 研究開発力、生産量・単位原価、生産技術・開発、生産システム、設備投資、人件費、付加価値、労働装備率
  • 販売力・・・ 店舗網、販売店
  • 商品力・・・ 品質・デザイン、ブランド、売上高・売上総利益の推移、製品特性、競合優位性
  • 情報力・・・ 販売情報収集・分析力、発信力、情報システムの整備状況、情報の活用状況、業務の省力化

2.製品や事業の評価

 収集した情報を元に、以下の項目にしたがって分類・整理する。
 Strength「強み」:自社の経営資源が、他の競合企業に比べて強い点を記入。
 Weekness「弱み」:他の企業に比べて弱い点を記入。
 自社が置かれている状況を分析して、
 Oppotunity「機会」、Thread「脅威」をそれぞれ記入して、4象限の図を作成する。


3.プロダクトライフサイクル

 製品が社会に投入されて消えていくまでを製品のライフサイクル(PLC)という。自社の強みや弱みを判断する場合には、自社製品(事業)がプロダクトライフサイクルのどの段階にあるかをよく判断しておくことが必要である。

 「導入期」
 新しい製品が市場に投入され、その価値や効用が顧客に認知されてくる段階。まだ競合企業・商品が少なく、競争以上に市場拡大効果がある。
 価格は高いが、顧客が少なく売上高が少ない。この時期には、にシェア拡大と将来の競合対策を準備しておく必要がある。絶対的な優位性を確保するための流通チャネルの構築や、消費者にとっての利点・特徴が強調できるように販促の整備や製品改良を行っておく。

 「成長期」
 製品が市場に浸透し、顧客層が増加するの同時に新規参入が増え、激しい競争となる。価格は低下し始めるが、売上高の増加で利益が出てくる。
 生産効率・販売効率の向上をはかり、経営資源の効率化を図る。通常、成長期の価格競争に対しては非価格競争で対応できるよう、製品の価値を高めていく必要がある。またこの時期に、次の製品開発にとりかかったり、新製品の導入を進めていくことにより、継続的な経営戦略の進行が図れる。

  「成熟期」
 ターゲットとする顧客に製品が行きわたり、買替需要を狙って価格面や販促での競争が激しくなり、利益率が低下する。新しい用途を開発したり、新市場の開拓や製品のリニューアルが必要な時期。
 競合他社も同様に延命策に創意工夫を凝らしてくるため、競合情報に注意する。成熟製品は市場を開拓し顧客にも知れ渡っているため、違う確度でとらえ直すことにより、大きな市場を創造できる可能性がある。

  「衰退期」
 市場が完全な飽和状態となりだんだん衰退していく段階。通常、衰退したあとまた上昇するということはあり得ない。他の商品のライフサイクルなど経営の視点から考慮し、事業全体の収益を考えながら撤退の方向を考える。

 これらの分析の中から、自社の強みを活かして、又は自社の弱みを保管して、今後推進すべき事業分野や整理撤退すべき事業分野などを選択する。

 

   
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